レイダーズの新加入RBローズ、4試合の出場停止

 オークランド・レイダーズRBドミニク・ローズが、リーグの薬物規定違反により開幕から4試合の出場停止処分を受けることになった。リーグは詳細について明らかにしていないが、28歳のローズはオフシーズンにインディアナ危険運転により逮捕されている。そして検察が飲酒運転での告訴取り下げに同意した後に、危険運転の罪を認めていた。プロ6年のローズは、2001年のプロ入りから昨季までインディアナポリス・コルツに所属。昨季は16試合出場で、ラン187回641ヤード、5TDをあげ、チームのスーパーボウル制覇に貢献していた。

 レイダーズのランオフェンスは、昨季ラン1回平均3.9ヤード、リーグワースト4位の1試合平均94.9ヤードと低迷。チームがローズと昨年の先発RBだったラモント・ジョーダンとのコンビで、ラン立て直しを目指す中でのシーズン序盤の離脱となった。今回の処分は8月31日から適用されるもので、トレーニングキャンプとプレシーズン全試合には出場可能だ。そして、第4週のマイアミ・ドルフィンズ戦を終えた翌日の10月1日からチームに再合流できる。また、彼と同じくタンパベイ・バッカニアーズDBトリー・コックスも薬物規定違反で開幕4試合の出場停止処分を科せられる。昨季16試合出場で30タックル、リターン18回387ヤードをあげた26歳のコックスは、スペシャルチームの中心選手として活躍していた。

最終ロースター決定までの道のり

 NFLヨーロッパアムステルダム・アドミラルズに所属していた木下典明立命館大卒/24歳)が、NFLアトランタ・ファルコンズトレーニングキャンプに参加することが4日に決まった。

 木下を含めファルコンズトレーニングキャンプに参加する選手たちは現地25日、ジョージア州アトランタに召集。ここではおよそ90人の選手たちが集まり、翌26日からキャンプがスタートする。8月にはファルコンズは4回のプレシーズンを予定している。

 プレシーズンでアピールできれば8月28日に行われるロースターの1次カット(最大75人に削減)、そしてその後、9月1日に行われるロースターの最終カットで53人に残ることができれば、木下はNFL選手としてシーズンを迎えることになる。最終ロースターに入れなくても、8人のプラクティス・スクワッド(練習生)として、チームと1シーズンを過ごす可能性も残されている。ただし、プラクティス・スクワッドの場合は、試合には出場できない。

 果たして木下はライバルたちとのロースター争いで勝ち抜き、最高峰のリーグの舞台に立つことができるのか。7月末からのキャンプに注目が集まる。

木下、記者会見一問一答

 NFLアトランタ・ファルコンズトレーニングキャンプに参加することが決まった木下典明立命館大卒/24歳)がキャンプに向けて意気込みなどを語った。

 

――キャンプに向けての意気込み

木下 「率直なところ、(ファルコズの)キャンプに召集されてとてもうれしいです。まだ呼ばれたところなのでこれからが勝負。(かつてNFLのキャンプに参加した)河口正史さんとやっと同じ舞台に立てた。ロースターに残らないと意味がない。キャンプで残ってアトランタ・ファルコンズのロースターになれるようがんばっていきたい」

 

――ファルコンズを選んだ理由?

木下 「ファルコンズを好きとはいっていたが、チームというよりは、QBのマイケル・ヴィックというNFLでも身体能力がずば抜けて高い選手が好きだった。複数のチームから誘いはあったが、最終的には自分の中で直感で決めた。まだ日本人が(NFLに)いったことがないので、どのチームがいいか分からない。だから最終的には直感で選んだ」

 

――キャンプまでの準備は?

木下 「キャンプで自分の力を出し切れるように万全の状態で臨みたい。けがをせずに自分の体を作っていきたい。いま考えているのは春にトレーニングしたアトランタNFLヨーロッパの前でトレーニングしてシーズン中もいい感じで動けた」

 

――NFLヨーロッパでプレーして伸びたところ、つらかったことは 木下 「伸びたというところでは、能力としてはそれほど感じなかったが、NFLヨーロッパのレベルになれたのが大きかった。でも、つらかったのは英語。話をするのが好きだが、ほかの選手とうまく会話ができなかったところがつらかった」

 

――アトランタ入りはいつ?

木下 「まだ決まったわけではないが、キャンプ前、1週間ぐらいに(アトランタ入り)したいと考えている」

 

――すでにファルコンズのほかの選手たちが始動していることについて

木下 「NFLヨーロッパでプレーしているので、それほどほかの選手よりも遅れているとは考えずにキャンプではできる限りの力を出し切りたい」

 

――最高峰の舞台NFLを意識したのはいつ? NFLでは何をアピールしたいか?

木下 「子どものころからNFLが夢だったので、チェスナットリーグに参加し、そのときは夢としてNFLでプレーしたかった。NFLヨーロッパの話を聞いたときに、本当にNFLを目指したいという意識に変わった。いまここで(会見していることが)とてもうれしいです。体が小さいので勝負できるところはスピードとクイックネス。大きな選手にない部分で勝負したいです。アメリカ人にはない、日本人の細かく器用なところを持っていると思うのでその部分で勝負していくしかないと思う」

 

――NFLヨーロッパの厳しいシーズンをどう乗り切ったのか

木下 「日本人のすごさを世界に知らせたかった。アメフトを子どものころからやっているが、日本ではまだマイナーなスポーツ。でも自分が先陣を切って、日本でもアメフトを認知させたいと思っていたことがシーズン中も支えとなった」

木下参加のファルコンズはこんなチーム

 アトランタ・ファルコンズは、投げて走れるマルチアスリートQBマイケル・ヴィックを大黒柱とするNFC南地区のチーム。2004年にはジム・モーラHC指揮の下、NFCカンファレンスチャンピオンシップに進み、ここ2年も優勝候補に挙げられていたが、昨シーズンは7勝9敗に終わり2年連続でプレーオフを逃した。今季は大学界きっての名将ボビー・ペトリーノ氏を新HCに迎え、出直しを図る。

 チームの中心であるヴィックは、ファルコンズに加入した2001年以降は、2004年まで2度プレーオフに導いた。ここ2年は連続してプレーオフ進出を逃しているが、昨季はパスで2000ヤード、ランでも1000ヤードをクリアして万能ぶりを発揮した。ただ、ファルコンズだけでなくNFLの顔にも成長したマルチQBは、今季は闘犬疑惑をかけられるなど周囲を騒がせている。それだけに、パサーとしての能力を成熟させて、チームを3年ぶりのプレーオフに導けば、周囲の雑音もかき消すことが可能だろう。

 WRヴィックの第1ターゲットとなりそうなのが、ジョー・ホーンニューオリンズ・セインツでプレーした昨季こそ、後半をけがで棒に振ったが実力は折り紙つき。セインツ時代の6シーズンで、捕球ヤードでシーズン1000ヤードを4度クリア。特に2004年には、捕球ヤードでNFL2位の1399ヤードを記録した。今シーズンを35歳で迎えるベテランだが、まだまだ老け込む年ではない。

 ただ、2番手以降のWRは手薄な状態。マイケル・ジェンキンズは昨季に16試合すべてに先発したが、捕球回数39、捕球ヤード436ヤードと不本意な成績。2005年に7試合の先発ながら捕球ヤード611ヤードを記録したブライアン・フィネランは、昨季は1試合もプレーしなかった。ファルコンズが上位に浮上するには、ホーンの復活と、頼みの綱TEアルジー・クランプラーに次ぐレシーバーの存在が不可欠となる。

 昨季はリターンゲームでリーグ26位に低迷したファルコンズ。キックリターンではNFC5位と健闘したが、パントリターンでは同12位と下位に甘んじた。キッキングゲームは、競った試合では特に重要なパートを占めるだけに、戦力の底上げが必須だ。

 ペトリーノ氏を新HCに据えたファルコンズは、25日にジョージア州にあるトレーニング施設に合流し、翌26日からキャンプをスタート。プレシーズンゲームは、8月10日のニューヨーク・ジェッツ戦を皮切りに計4試合行い、9月9日に敵地で行われるミネソタ・ヴァイキングス戦に備える。

ベアーズのTEオルセン、ドラフト1巡では初の契約

 シカゴ・ベアーズが、ドラフト1巡指名のTEグレッグ・オルセンと5年契約を結んだ。マイアミ大(フロリダ)出身のオルセンは、ドラフト全体31位でベアーズに指名されていた。今年の1巡指名選手で契約に合意したのはオルセンが初めてとなる。ベアーズがドラフト1巡でTEを指名したのは、選手、ヘッドコーチの両方でチームに貢献した殿堂入りマイク・ディトカを1961年に指名して以来のことだった。

 レシービング能力に定評のあるオルセンは、マイアミ大(フロリダ)での3年間で通算レシーブ87回1,215ヤード、6TDを記録。大学4年目のプレーを選択せずにアーリーエントリーしていた。これでベアーズは、ドラフトで指名した9選手の内、2巡指名のDEダン・バザインを除く8選手と契約を結んだことになる。マイアミ大(フロリダ)出身のTEといえば近年プロボウル4度選出を誇るニューヨーク・ジャイアンツジェレミー・ショッキー(2002年プロ入り、昨季レシーブ66回623ヤード、7TD)、クリーブランド・ブラウンズケレン・ウィンズロウ(2004年プロ入り、昨季レシーブ85回875ヤード、3TD)とリーグ有数のレシービングTEを2人輩出している。ベアーズとしては2人の先輩に匹敵する活躍を期待したい。

ファルコンズHC、「木下のキャンプ参加は当然」

 アトランタ・ファルコンズボビー・ペトリーノヘッドコーチが、チームのトレーニングキャンプに参加する木下典明に向けてメッセージを送った。木下へのメッセージは下記のとおり。

 「ノリ(木下)がチーム内で競い合う姿を見るのを、非常に楽しみにしている。NFLヨーロッパでの経験があり、キャンプに召集される機会を得るのは当然のこと。これまでWRのポジションにおいて熾烈なポジション争いを目の当たりにしてきた。そこに、ノリの存在が加わることで、その競争はさらに激化することだろう。またリターナーとしての資質にも非常に注目している」

 ヘッドコーチのコメントを受けて木下は会見で「ヘッドコーチからのコメントはうれしい。選手としてアメリカ人と戦えることがうれしい。コーチの期待にそえるように自分の力を出して、アピールできるようにがんばりたい」と語っている。

 ペトリーノHCは1月にファルコンズ歴代13人目のヘッドコーチに就任。2003年から4シーズン、名門ルイビル大HCを務めたが、NFLでは自身初のヘッドコーチの職を務める。かつて1999年から3シーズン、ジャクソンビル・ジャガーズでQBコーチや、オフェンスコーディネーターとして選手の指導にあたった。

木下、ファルコンズのキャンプ参加決定!

 NFLヨーロッパアムステルダム・アドミラルズに所属していた木下典明立命館大卒/24歳)が、NFLアトランタ・ファルコンズフリーエージェント選手として2年契約を結び、トレーニングキャンプに参加することが4日に決まった。木下がファルコンズの最終ロースターに残ることができれば、日本人初のNFL選手が誕生する。

 夢のNFLの舞台に一歩近づいた木下は記者会見で、「とてもうれしいことだが、これからが勝負。いまからロースターに残らないと意味がないので、日本人として器用なところ、スピードとクイックで自分の持ち味をアピールしたい」とキャンプに向けて抱負を語った。木下はNFLヨーロッパ外国人選手特別枠や、インターナショナル・プラクティス・スクワッド(外国人練習生)枠でなく、日本人として史上初めて米国人選手らと同等の扱いでキャンプに参加する。

 木下はNFLヨーロッパ参戦3年目となった今季、アドミラルズの中心選手として活躍。2TDレシーブを含む23レシーブ、リーグ10位の364ヤードを記録した。さらにPRとしては11回、175ヤード(リーグ2位)、KRとしては26回、604ヤード(同2位)と素晴らしい成績を残し、2年連続でスペシャルチーム部門のオールNFLヨーロッパに選出された。

 NFLヨーロッパでの活躍を受けて今回、木下に接触してきたチームは、ファルコンズニューヨーク・ジャイアンツニューヨーク・ジェッツグリーンベイ・パッカーズの4チーム。ファルコンズを選んだ理由について木下は「QBマイケル・ヴィックという選手は好きだが、最終的にはどこのチームにしようか、自分自身を信じて直感で選んだ」と語っている。

 ファルコンズボビー・ペトリーノ新ヘッドコーチは、木下にWRだけでなく、リターナーとして期待している様子。ヘッドコーチからの祝福を受けた木下は「とてもうれしい。アメリカ人と同じように戦えることをアピールしたい」とコーチの期待に応えたいと語っている。

 子どものころからの憧れであったNFLへのチャンスをついにつかんだ木下は今後、アトランタでトレーニングを行った後、25日にチームに合流。翌26日からスター選手とともに、トレーニングキャンプに参加し、最終53人のロースター入りを目指す。最終ロースターが発表されるのは、現地9月1日。日本人初のNFL選手誕生へ向けて、木下の本格的な挑戦がついに始まる。