木下参加のファルコンズはこんなチーム

 アトランタ・ファルコンズは、投げて走れるマルチアスリートQBマイケル・ヴィックを大黒柱とするNFC南地区のチーム。2004年にはジム・モーラHC指揮の下、NFCカンファレンスチャンピオンシップに進み、ここ2年も優勝候補に挙げられていたが、昨シーズンは7勝9敗に終わり2年連続でプレーオフを逃した。今季は大学界きっての名将ボビー・ペトリーノ氏を新HCに迎え、出直しを図る。

 チームの中心であるヴィックは、ファルコンズに加入した2001年以降は、2004年まで2度プレーオフに導いた。ここ2年は連続してプレーオフ進出を逃しているが、昨季はパスで2000ヤード、ランでも1000ヤードをクリアして万能ぶりを発揮した。ただ、ファルコンズだけでなくNFLの顔にも成長したマルチQBは、今季は闘犬疑惑をかけられるなど周囲を騒がせている。それだけに、パサーとしての能力を成熟させて、チームを3年ぶりのプレーオフに導けば、周囲の雑音もかき消すことが可能だろう。

 WRヴィックの第1ターゲットとなりそうなのが、ジョー・ホーンニューオリンズ・セインツでプレーした昨季こそ、後半をけがで棒に振ったが実力は折り紙つき。セインツ時代の6シーズンで、捕球ヤードでシーズン1000ヤードを4度クリア。特に2004年には、捕球ヤードでNFL2位の1399ヤードを記録した。今シーズンを35歳で迎えるベテランだが、まだまだ老け込む年ではない。

 ただ、2番手以降のWRは手薄な状態。マイケル・ジェンキンズは昨季に16試合すべてに先発したが、捕球回数39、捕球ヤード436ヤードと不本意な成績。2005年に7試合の先発ながら捕球ヤード611ヤードを記録したブライアン・フィネランは、昨季は1試合もプレーしなかった。ファルコンズが上位に浮上するには、ホーンの復活と、頼みの綱TEアルジー・クランプラーに次ぐレシーバーの存在が不可欠となる。

 昨季はリターンゲームでリーグ26位に低迷したファルコンズ。キックリターンではNFC5位と健闘したが、パントリターンでは同12位と下位に甘んじた。キッキングゲームは、競った試合では特に重要なパートを占めるだけに、戦力の底上げが必須だ。

 ペトリーノ氏を新HCに据えたファルコンズは、25日にジョージア州にあるトレーニング施設に合流し、翌26日からキャンプをスタート。プレシーズンゲームは、8月10日のニューヨーク・ジェッツ戦を皮切りに計4試合行い、9月9日に敵地で行われるミネソタ・ヴァイキングス戦に備える。