木下、いよいよアメリカに出発
アトランタ・ファルコンズとルーキー・フリーエージェント契約を結んだ木下典明が、26日からジョージア州フラワリー・ブランチで始まるファルコンズのキャンプに備え成田空港から渡米した。今後、木下は25日にチームと合流するまで多くのNFL選手が利用しているスポーツトレーニング施設の『XPE Sports』で自主トレーニングを行う予定だ。
NFLヨーロッパではレシーバー、リターナーの両方で活躍した木下は「最終ロースターに残ることが目標です。トレーニング施設で体調を最高にして、キャンプに挑みたい。緊張はなく、楽しみにしています。自分が自信を持っているスピード、クイックネス、球際や気持ちの強さで(ロースター争いのライバルに)勝ちたい」とコメント。また、「(NFLヨーロッパでの3年間は)短かったです。そして年々、短く感じるようになりました。最初は、初めての海外で不安な事だらけでしたが、今では海外での生活にも慣れました。日本人としての意識は強く持っています。アメリカでナンバーワンスポーツのアメリカンフットボールで、日本人が活躍したら注目されると思う。日本人の凄さを見せたい」と意気込みを語った。
ドルフィンズ、QBカルペッパーを放出
マイアミ・ドルフィンズが、QBダンテ・カルペッパーを解雇した。ドルフィンズは昨シーズン開幕前に膝の大きな手術を終えたばかりのカルペッパーをミネソタ・ヴァイキングスから獲得。しかし、昨季の彼は膝の負傷で4試合の出場のみに終わり、わずか1年でチームを去ることになった。今回の放出はドルフィンズが今オフにトレードでカンザスシティ・チーフスからQBトレント・グリーンを獲得した時点で、かなり予想された事態だった。ドルフィンズはカルペッパーのトレードを画策していた様子だったが、彼が契約見直しに応じなかったことで現行の高額年俸のままトレードに応じるチームはなく解雇するしかない状況だった。
FAとなった彼の獲得に乗り出す可能性のあるチームとして、ジャクソンビル・ジャガーズがあげられている。現在ジャガーズはバイロン・レフトウィッチ、デイヴィッド・ギャラードと2人の先発経験のあるQBを擁しているが、コーチ陣はもし、カルペッパーを獲得できるなら考えるとオフシーズンの始めに述べていた。30歳のカルペッパーは、今後について「まだ、新しいQBを必要としているチームがあることを望むだけだよ。俺は2007年シーズンへ向け、トレーニングキャンプに参加する準備ができている」と語っている。
ヴィック、連邦大審問に起訴される
アトランタ・ファルコンズのQBマイケル・ヴィックが、違法な闘犬に関わった容疑で連邦大審問に起訴された。ヴィックと3名は、闘犬の犬種であるピットブルの調達やトレーニングを行い、闘犬イベントを運営する企業を経営していた疑いをかけられている。起訴状によると企業は「Bad Newz Kennels」と名づけられ、バージニア州にあるヴィック所有の家で犬の育成や闘犬が行われていた。ちなみにヴィックは自分の公式サイトで出身地のニューポートニュースを“a.k.a. BadNews”と呼んでいる。
もし、27歳のヴィックと他の3名、パーネル・A・ピース、クァニス・L・フィリップスとトニー・テイラーが有罪判決を受けた場合、懲役6年に罰金と賠償金で35万ドルを課せられる可能性がある。NFLスポークスマンブライアン・マッカーシーは、「マイケル・ヴィックが、連邦大審問に起訴され、収監されるかもしれない状況となったことに失望している。闘犬は残酷で、自らの地位を落とす違法な行為だ。しかし、ヴィックの罪はまだ証明されていない。私たちは、事実の認定が法的な手続きによって行われることを信じている」とコメントしている。
木下が20日にアトランタへ出発、有名施設で自主トレ
アメリカンフットボールの米国プロリーグNFL(National Football League:ナショナル・フットボール・リーグ)、アトランタ・ファルコンズ(NFC南地区)と、日本人選手としては史上初めて米国人選手らと同等の通常のルーキー・フリーエージェント(FA)契約を結んだ木下典明(立命館大学卒/24歳)。現地時間7月26日から米国ジョージア州フラワリー・ブランチにおいて開始するファルコンズのトレーニングキャンプ参加に備え、日本時間7月20日、成田空港から現地へ向け出発する。
現地時間20日にアトランタに到着する木下選手は、キャンプ開始前日となる25日まで、ピッツバーグ・スティーラーズWRハインズ・ウォード、フィラデルフィア・イーグルスLBタキーオ・スパイクスら多くのNFL選手も利用しているトレーニングセンター『XPE Sports』で自主トレーニングを行う予定。ファルコンズのキャンプ地にも近いXPE Sportsでのトレーニングは、木下にとって、NFLヨーロッパのキャンプ前の今年2月にIPDの育成プログラムの一環として派遣されて以来となる。
木下は、その後、25日にチームと合流。26日からスタートするトレーニングキャンプに参加し、約1か月にわたる練習やプレシーズン試合を経て、9月6日に開幕するNFL 2007シーズンの最終ロースター生き残りを目指す。NFL各チームの開幕ロースターは、トレーニングキャンプ開始時に各チーム最大88名で構成され、その後、8月28日(火)に最大75名、9月1日(土)には最大53名と、NFLの定める日程で開幕までに2度のロースター削減を経て、最終的に1チーム最大53名が登録される。
ライオンズ、DTレディングと複数年契約
デトロイト・ライオンズは、DTコーリー・レディングと複数年契約を結んだ。ライオンズは、2月にレディングをフランチャイズ選手に指定していた。契約の詳細は明らかになっていないが、DTの中ではリーグ最高額に匹敵すると見られている。プロ4年、26歳のレディングは昨季DTショーン・ロジャーズが離脱した後、守備ラインの中心選手として活躍。プロ最初の3年間で計4.0サックだけだったが、昨シーズンは16試合出場で47タックル、8.0サックをマークしていた。
ライオンズのロッド・マリネリヘッドコーチは、「契約額とかには全く関与していないが、彼はチームに必要な選手だと言っていた。DTはこのチームの守備の鍵となるポジションだ。彼のように全てのスナップでフルスピードを出し、フィールドの端から端までをカバーできる選手を見つけるのは最も困難なことの1つさ」と、レディングとの長期契約に安心した様子。レディングは、「マリネリとの関係は、何事にも変えられないものだ。彼は俺にとって1番の指導者であり、最高のプレーヤータイプのコーチだ。俺の周りにいる中で、彼は1番の存在さ」と、マリネリに絶大な信頼を置いている。
コルツ、DEフリーニーと6年7,200万ドル
インディアナポリス・コルツが、DEドワイト・フリーニーと3,000万ドル(約36億円)のサインボーナスを含む6年7,200万ドル(約87億1,200万円)の新契約を結んだ。これは守備選手では、リーグで最も高額な契約の1つとなる。コルツは2月にフリーニーをフランチャイズ選手に指定し、今オフにおける彼の移籍を阻止。そして、長期契約を結べる期限となる7月16日の直前になってようやく合意に達した。もし、コルツが16日までにフリーニーと複数年契約を結ばなかった場合、彼の年俸はフランチャイズ指定により1年契約で同ポジションのリーグトップ5の平均額となる864万4,000ドル(約10億4,500万円)だった。
2002年ドラフト1巡でコルツに入団した27歳の彼は、プロ1年目にいきなり13.0サックをあげると一昨年まで4年連続で二桁サックを記録していた。しかし、昨季は肩と脚の負傷もあって本領を発揮できず自己ワーストの5.5サックのみ。プロボウル連続出場も3年でストップしてしまっていた。彼の契約は、コルツにとって守備選手ではチーム史上最大の投資となる。コルツは2004年以降、QBペイトン・マニングに7年9,800万ドル(約118億円)、WRマーヴィン・ハリソンに6年6,600万ドル(約80億円)、WRレジー・ウェインに6年3,900万ドル(約47億円))と攻撃陣の主力引止めに大金を費やしていた。
オフシーズン注目ポイント、CIN、CLE
ベンガルズはドラフト1巡でCBリオン・ホールの指名という“ホームラン”を打つことができたが、ディフェンス陣の強化にはまだ多くの改善点が残っている。もし、ドラフト4巡のFSマーヴィン・ホワイトが予想以上の成長を見せてくれれば、チームの大きな助けとなる。しかし、ベンガルズは、まだ守備ラインとLBに補強が必要であり、このフロント7がチームの弱点となるだろう。
QBカーソン・パーマーはキャリア序盤から長期間にわたって見事な成功を収めており、現在のチームは明らかに新しいQBを必要としていない。ベンガルズは、良いQBを獲得するチャンスがあったらどんな時でも実行するという哲学を持っている。しかし、誰に聞いてもドラフト5巡でQBジェフ・ロウよりも良い選手を指名できたようだ。ロウはネバダ大で好成績を残したが、それは彼の能力よりもオフェンスシステムのおかげだったと見られている。
ブラウンズには、新人QBブレイディ・クィンの助けとなる信頼できるベテランQBがいない。どんなにクィンが他の新人QBよりも今季の開幕先発デビューへ良い準備をできたとしても、エースQBへの昇格はシーズン途中に行った方が本人の為になる。だが、ブラウンズは、クィンを開幕から先発QBとして起用することを推し進めるつもりだ。
ブラウンズは、ボルチモア・レイヴンズがRBウィリス・マクゲイヒー獲得の資金的余裕を生み出すため解雇したRBジャマール・ルイスをFAで獲得し、ラン攻撃で大きな信頼を置いている。散々な状況となっている地上戦の立て直しのため、ルイスはラン攻撃の大半を担うことを期待されている。