NFLヨーロッパ、その15年の歴史に終止符

 現地時間6月29日(金)、アメリカンフットボールの米国プロリーグNFL(National Football League:ナショナル・フットボール・リーグ)は、より幅広いメディア展開や、NFL海外レギュラーシーズン試合の開催を通じて、さらなる地球規模のNFLファン拡大を目指すため、その国際戦略を革新していくことを決定。それに伴い、今月22日(土)に全日程を終えた2007シーズンまで、過去15年に渡って展開してきたNFLヨーロッパリーグを、今季限りで終了とし、来季以降は継続しない決定を下した。

 NFLインターナショナル上級副社長マーク・ウォーラー氏は、この決定について、「私たちのスポーツをより多くの人々に視聴していただくための世界的なメディア展開、そして生のNFLレギュラーシーズン試合を体験していただくための海外開催など、より地球規模のファン拡大を目指していくためにNFLの国際戦略の見直しを図る、相応しい時期がきました」とコメント。

 さらに同氏は、「私たちは今後、最新テクノロジーや個人仕様のデジタルメディアなどを有効に活用して地球規模でよりNFLにアクセスし易い環境を生み出し、多くの人々にNFLレギュラーシーズン試合を体験してもらうことで、さらなる世界的なファンベースの構築を目指していきます。これまでNFLヨーロッパリーグは、非常に多くのファンを生み出し、そしてリーグもまた彼らの情熱によって支えられてきました。私たちは、これから新しいステージに入っていく国際戦略を、そうしたしっかりとした基盤の上で展開していくことを非常にうれしく思っています」と語っていた。

 NFLヨーロッパは、1991年に『ワールドリーグ・オブ・アメリカンフットボール(WLAF)』という名称で、当初、アメリカとヨーロッパを舞台に10チームで展開。その後、93、94年の2年間の活動休止を経て、95年にヨーロッパ内6チームによるリーグ編成で再スタート。98年から『NFLヨーロッパ』の名称が採用された。2005年に、フランチャイズがドイツ5チーム、オランダ1チームとなるなど、15年の長きに渡り、ドイツを中心にヨーロッパのファンから愛されてきたNFLヨーロッパは、今年2007シーズンを最後に、その歴史の幕を下ろすことになった。また、NFLヨーロッパには、『NFLへの登竜門』として、これまで多くの日本人選手も参戦。日本人選手の初参戦は1996シーズンで、それ以来、今季までの12年間で計32名(のべ64名)の選手たちが、その先のNFLを目指し、挑戦を重ねてきた。