オフシーズンプレビュー AFC東地区

リーグ屈指の補強に成功したペイトリオッツ

 AFC東地区内だけでなく、リーグの中でも有数の補強に成功したのがニューイングランド・ペイトリオッツだ。昨季あと一歩でスーパーボウル進出を逃したペイトリオッツだが、その元凶は何といっても深刻なタレント不足に悩まされたレシーバー陣だった。しかし、今オフはランディ・モスドンティ・ストールワースウェス・ウェルカーと3人の即戦力WRを獲得。引退を考えているRBコーリー・ディロンの放出でラン攻撃力は落ちたが、彼ら3人の加入はその穴を補って余りあるものだ。さらに、守備でも今年のFA市場でトップランクプロボウルLBアダリアス・トーマスと契約している。また、今年は一昨年のチャーリー・ワイズ(現ノートルダム大HC)、ロメオ・クレネル(現ブラウンズHC)、昨年のエリック・マンジーニ(現ジェッツHC)といった参謀の流出もなく、王座奪還に向けてほぼ満点といってよい戦力補強を達成したと言える。シーズン開幕前、多くのメディアがペイトリオッツを優勝候補の筆頭にあげたとしてもそれは何ら驚くべきことではない。

課題の攻撃力アップへ、RBジョーンズ獲得のジェッツ

 昨季、若き知将マンジーニの下、決して豊富とは言えない戦力でプレーオフ進出を果たしたジェッツ。若手が多いチーム事情もあり、今オフも大幅な選手移動は行わなかった。昨季のジェッツといえば、獲得ヤードがリーグ25位、喪失ヤードがリーグ6位という数字が示すように守備の力で勝つ試合が多かった。課題の攻撃力改善の特効薬としてシカゴ・ベアーズのエースRBトーマス・ジョーンズをトレードで獲得。2年連続でラン1,200ヤード以上を稼いでいるジョーンズの加入で、どれだけオフェンス力を強化できるかが今季の成績を左右する鍵となる。

 マイアミ・ドルフィンズは、今オフに入りニック・セイバンHCアラバマ大HCに就任するため辞任。昨季サンディエゴ・チャージャーズ攻撃コーディネイターとしてリーグ最強オフェンスを構築したカム・キャメロンを新指揮官に据え、6年ぶりのプレイオフ出場を目指す。QBトレント・グリーンLBジェリー・ポーターと2人の大物ベテラン選手を獲得し、チームの底上げを図っている。バッファロー・ビルズは、RBウィリス・マクゲイヒーLBタキーオ・スパイクスLBロンドン・フレッチャーといったチームの中心選手が去ったが、彼らの代役となる戦力はドラフト以外で獲得できず。Gデリック・ドッカリーを7年総額60億円近い大型契約で獲得しているが、マイナス面の方が大きく若手の成長が不可欠だ。